退学について少し述べてみたいと思います。それぞれの退学時期(学年進行)により、退学理由は異なる傾向にあります。
まず、1年次の退学ですが、その要因の多くは、転学、あるいは進路変更、学生生活に馴染めない、勉学についていけないなどでしょう。その兆候は、1年次前期に欠席が多くなることで表れます。転学・進路変更については、そもそも進学した大学・学部・学科を含め不本意入学であることが多いことから、不本意の入学であっても在籍大学・学科の指導や支援により、その良さを感じ留まることもありますが、早めの退学も良しとする考え方もあるかと思います。学生生活に馴染めない、勉学についていけないが要因の場合は、大学のケアが必要であろうと思います。具体的には、学生相談室、クラス担任、基礎学力支援センターなどが大学に用意されているか、そしてその利用に関して学生に十分に周知されているかがポイントとなるでしょう。
次に、2年次ですが、専門科目も増えていく時期です。専門分野の興味の薄れ、あるいは専門科目の理解困難、また留年がその要因になってくることがあります。学科担当教員とのコンタクトタイムの増加など、専門分野の教員の支援が必要となります。
3、4年次の退学の理由は、3年次での単位の修得不足による留年決定、特に4年次では卒業研究担当教員との関係の悪化、あるいは大学卒業後の不安、留年による経済的負担増などが挙げられるでしょう。このような場合には大学(教務課、就職課、学生相談室など)に相談をされることが望ましいでしょう。
ちなみに退学率は以下のように計算されます。例えば、23年度の退学率は、23年度3月までの退学者数÷23年4月時点の在籍学生数×100で求められ、学部系統により異なりますが、多くの大学はこの退学率が2〜3.5%程度です。したがって、入学してから卒業までの4年間でみると、8〜13%程度になると思われます。