2022年3月、学習院大学は宇宙産業における総合的なサービスを展開する「Space BD株式会社(以下Space BD)」と産学連携協定を締結し、当該大学の文理融合の教育研究とSpace BDが展開するビジネスの両面で知見を深める実践的な学びの場の提供を通じ、これからの社会で活躍する人材を育成するカリキュラムを開発してきた。
そして2023年度より学習院大学にて、所属学部や学年にかかわらず希望者が履修できる全学共通科目として「宇宙利用論」が開講された。Space BDとカリキュラムを共同開発し、主に国際宇宙ステーションを活用したビジネス創出に向けた学習機会を全学生に提供している。この取組みは、大学機関と宇宙ベンチャー企業との産学連携による大学カリキュラム開発の国内初の事例となった。
「宇宙利用論」は、地球を含むすべての天体・宇宙空間を、平和的にかつ持続的に利用していくためSDGsとその先を目指した文理融合の新たな体系構築を目指すものだ。民間事業による宇宙利用が活発化している現代において、宇宙利用を科学・技術のみの視点から学ぶだけではなく、あらゆる視点からとらえる必要があると考え、全学共通科目として開講に至った。学生に宇宙利用・宇宙ビジネス、また宇宙の平和利用に関心を抱かせ、宇宙ビジネス・宇宙利用の知識を持った人材の育成、宇宙の平和利用に向けたルールの土台づくりや、宇宙ビジネスの提案ができる人材の育成を目的としている。
なお、当該大学のこの取り組みは、「宇宙ルール形成に着目した文理融合×産官学連携による人材創造プログラム」として、2022年に文部科学省の宇宙航空科学技術推進委託費に採択されている。宇宙ビジネス国内外研修等開発による人材育成などを通して、今後日本における宇宙利用分野を牽引し、特色ある教育研究拠点になっていくことが期待されていると言って良いであろう。
(学習院大学のホームページほかから引用作成)
*詳しくは以下をご覧ください。
https://www.univ.gakushuin.ac.jp/about/press/28743.html