豊島岡女子学園中学校・高等学校
教務部長 十九浦 理孝/英語科 萩原 大

High School

#02

創立130年目の挑戦
卒業生インタビューやクラブ活動で
生徒は未来の自分を見る

――「T-STEAM:Pro.(ティースティームプロ)」と「T-STEAM:Jr.(ジュニア)」。この2つのプログラムは、生徒たちへどのような影響を与えていくのでしょうか。

十九浦●中高生でも十分に挑戦できる。「無理じゃない」とわかってはいるけど、すごく難しい。そこには「楽しさ」や「わくわく」があるんだと思います。
これらを通して、理系に興味が湧く生徒は増えるでしょう。最初から「私は理系は嫌いです」という生徒もいますが、視野が広がる機会には十分になっていると思います。

 

――中学生が卒業生をインタビューするプログラムについて教えてください。

本校では、卒業生が学校の教育活動に協力してくれる「TGネットワーク」という制度があります。そのような卒業生に協力してもらい、中学2年生の夏休みを利用して社会人である卒業生にインタビューしています。実際に卒業生の会社まで出向くこともありますし、学校に来ていただいて複数の生徒が集まってインタビューする場合もあります。
ただ聞いて終わりでは本人のなかにしか残らないので、本校ではアウトプットにもかなり時間を割いてやっています。2学期がはじまるタイミングでどういう卒業生に会ってどんな話を聞けたのか、どんな気づきや学びがあったのか、お互いに教え発表し合う場を設けています。

 

ーー卒業生が協力を惜しまないのは、先輩が後輩の面倒を見る伝統があってこそ、ですね。

本校ではこの件に関してだけでなく、卒業生はさまざまな場面で力を貸してくれます。卒業生による講演会は数多く開催していますから、生徒たちはそういった行事への参加を通して、卒業しても帰ってくる自分の姿をイメージしているのではないでしょうか。ここも10年から15年ぐらいでそれが具体的になってきたように思います。

また、大学1・2年生になった卒業生20数名が「TGサポーター」と称して後輩に勉強を教えに来てくれています。まだスタートして4年ほどですが、T-STEAMや探究活動のプログラムについて相談に乗ってもらうこともあります。

最近ではTGサポーターをやっていた卒業生たちが、省庁に就職して働いていたりします。近い将来、卒業生がいろいろな省庁で働くことになったら本校に一斉に来ていただいて、在校生とともにいろんな省庁が抱えている問題について一緒に考えて、そこで出たアイデアを職場へ持ち帰って役立ててもらえるような好循環ができたら、と考えています。

 

ーー卒業生の後輩に対する面倒見のよさは、進学校であってもクラブ活動が活発であることにも関係しているでしょうか。

萩原●本校では、クラブ活動は全員参加です。私はバレーボール部の顧問をしていますが、先輩後輩の関係はかなり強いですね。「後輩に何か伝えたい」と思う卒業生が多いのは長年の蓄積だと思います。

「勉強もクラブ活動も両方とも一流をめざそう」という雰囲気は本校の特徴の一つと言えます。勉強をするためにクラブ活動ができないのはおかしいし、クラブ活動をやってるから勉強できないのも違います。

 

ーーそれはどのように実現したのでしょうか。

本校の場合、そもそもクラブ活動は17時までしかできません。実際に授業が15時まであって、そのあとは掃除やホームルームがあるので、スタートは15時45分ぐらいから。ですから実際は1時間ちょっとしかできません。それでも全国優勝するクラブがあるのは、しっかりやりたいことに集中して、その場で完全燃焼できるからでしょう。
「時間をどううまく使うか」は勉強を通して培われているので、クラブ活動にも活かされているはずです。

クラブ活動で培った集中力は勉強でも活かされ、クラブ活動を引退した後でこそ活きてくる。むしろ不可分というか、クラブ活動があるから進学実績の結果も出ているように思います。

 

ーークラブ活動をやり、勉強もしっかりする。そういった習慣の定着はどのように図るのでしょうか。

生徒たちは学校を出たあとの時間はずっと勉強に使います。ご家庭の協力ももちろん大切なのですが、入学時点から勉強する習慣をつけるようにしています。

私は英語を担当していますが、小テストを行い、基礎を学ぶところからしっかりと定着させるようにしています。また、数学でも授業内での小テストなどはこまめに行っており、学習内容が定着できるようにフォローアップをしています。

本校ではそういう表面的なところに加えて、生徒全体に「周囲もしっかりやっているから自分もやる」という姿勢があることが大きいと思います。

「自分もできるようになりたい。もしできてなければ、できるようになりたい」と思える環境ですね。

「勉強はして当然」という環境のもとで、「勉強するのが普通」が、ほとんどの生徒の感覚だと思います。

 

ーー「こういう生徒を求めている」「その生徒をしっかり伸ばしていく学校」という方針は学校説明会などで明確に打ち出しているのでしょうか。

校長は「勉強するのが、あたりまえ」という話をします。それぞれのご家庭で、小学校時代までに勉強の素地をつくっていただくことは欠かせないですね。

本校ではグラデュエーション・ポリシーとして「志力をもって未来を創る女性」の育成を掲げています。
勉強は、どの学校を選んでもやることだから、最初からやっておこう。でも、それだけで終わるのではなく、充実したさまざまなプログラムがたくさんあり、クラブ活動も必ず全員入って楽しくやる。勉強するのは「あたりまえ」で、それがあるからいろんなことに挑戦できる。
ただ生きている、というのではなくて、志をもってそれを実現させる力をこの6年間で身につけていこう。卒業後も成長できるようになろう、そういう話をしています。

 


(2022年5月末取材/#03『「あたりまえを、あたりまえに」変革の時代に、求められていることは』へ続く)

Profileプロフィール
豊島岡女子学園中学校・高等学校
教務部長・進路進学委員会主任 十九浦 理孝(つづうら まさたか)
英語科・進路進学委員会副主任 萩原 大
【学校プロフィール】
1892(明治25)年創立。
教育方針は「道義実践・勤勉努力・一能専念」。グラデュエーション・ポリシーは「志力をもって未来を創る女性」の育成。近年、女子校で東大合格者数において「女子御三家」(桜蔭、女子学院、雙葉)と変わらない合格実績を出し、「女子新御三家」のひとつとされる。医学部進学者数の多さでも知られる。
生徒募集については、高校入学は2021年度までとなり、2022年度から完全中高一貫校となる。2022年5月1日に創立130周年を迎える。

●住所:東京都豊島区東池袋1-25-22 〒170-0013
https://www.toshimagaoka.ed.jp/

Profileプロフィール
豊島岡女子学園中学校・高等学校
教務部長・進路進学委員会主任 十九浦 理孝(つづうら まさたか)
英語科・進路進学委員会副主任 萩原 大
【学校プロフィール】
1892(明治25)年創立。
教育方針は「道義実践・勤勉努力・一能専念」。グラデュエーション・ポリシーは「志力をもって未来を創る女性」の育成。近年、女子校で東大合格者数において「女子御三家」(桜蔭、女子学院、雙葉)と変わらない合格実績を出し、「女子新御三家」のひとつとされる。医学部進学者数の多さでも知られる。
生徒募集については、高校入学は2021年度までとなり、2022年度から完全中高一貫校となる。2022年5月1日に創立130周年を迎える。

●住所:東京都豊島区東池袋1-25-22 〒170-0013
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